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アレルギーは治るのか

あなたはこう思っているかもしれない、
「花粉症は治らない。」
きっと、これまであなたは、目のかゆみを抑える薬や、鼻水を止める薬を何の疑いもなく取ってきたこともあるだろう。
この病院では治らないから・・・・と言って転々と病院を変えているかもしれない。

でも、あれっ?、これっていつまで薬を飲めばいいのかな?
そう思う瞬間はなかっただろうか?
筆者は、花粉症を十数年間患っていた。
けれどもあるとき、自然療法と出会った。
体質改善を図り、花粉症がコントロールできるようになった。

今はもう「春」が快適なのである。
「諦めないでほしい」
人間の体は治るようにできている。

ここで一度、西洋医学とは違う視点からアレルギーの機序を見て見てはいかがだろうか?
あなたが辛さから解放されるヒントがきっとあると思う。
ぜひ参考にしてほしい。
アレルギーという病は不治の病ではない。

目次

1 アレルギーとはなんだろう

私たちの身体には、外敵が体内に侵入して来たときに、抗体という目印を作ってこれを排除しようとする「免疫」というシステムが備わっています。アレルギーは、この「体を外敵から守ろう」とする免疫が、ある特定のアレルゲンに対して過剰に発動することを言います。
多くの場合、アレルゲンを特定し、それを避けさえすれば良い、まあは避ける以外に対処法はないと思われていますが、果たしてそうでしょうか?


確かにアレルゲンを避けるというのは大事ですが、そのアレルギー反応を引き起こすものは、本当に「危険」なのでしょうか?実は身体にとってそんなに害のないものであったり、敵とみなす必要のないものであることも少なくありません。

例えば食物アレルギーの原因として患者数が多く症状が重いものとして、原材料表記に記載の義務があるものを見ても、通常であれば敵視するようなものではないことがわかります。

●表示の義務があるもの
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
●表示が推奨されているもの
アワビ、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、酒、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、松茸、もも、山芋、りんご、ゼラチン

アレルギー疾患の治癒を目指すには、「そもそも害のないはずのものに対して、なぜ敵としてアレルギー反応を起こしてしまうのか」に着目する必要があります。
本当の治療は、「薬を使えば症状が収まる」でも「アレルゲンを取らなければアレルギーが起こらない」でもなく、「敵でもないものをアレルゲンとして認識しない身体にすること」だからです。

 

2 血液の健康

さて、私たちの体をめぐる血液には何が含まれているでしょう?
 ・外傷で敗れた箇所を塞ぎ止血をする血小板
 ・全身の生理機能のサポーターである酵素と それを運搬する赤血球
 ・侵入した的やエラーを起こした細胞から身体を守る防御軍の白血球
 ・エネルギーとなったり細胞の材料となる栄養素とそれを運搬するタンパク質
 ・その他 酵素やビタミン、電解質、老廃物、二酸化炭素など
大きく分けてこのようなものが挙げられます。

人間の体は、エネルギー源を摂取して、変換して、消耗するを繰り返して生命を維持しています。私たちが食べたものは小さく分解されてカラダの中に取り込まれます。それらはエネルギーとして利用されたり修復するときの材料として利用されます。
また呼吸によって取り込まれた酵素は、全身で行われる様々な仕事に必要です。
これらの必要な酸素や栄養素は、血液によって体の隅々まで届けられます。
逆に入らなくなったものは回収されて、肝臓で無毒化処理が行われ、腎臓を経て尿として排泄されたり、腸から便として排泄されます。

体がスムーズにこれらの仕事をするためには、運搬経路である血液が綺麗であることが求められます。
そのため、肝臓で処理するのが難しいもの、なんだかよく分からないものなどは、とりあえず溜め込まれます。

その溜め込まれるところを「イラナイ物を溜めるコップ」に例えて見ましょう。

溜めておかれるものが腐敗しては困るので、そのコップはなるべく熱伝導のない冷たいところにためておかれます。
それはどこでしょうか?そう、脂肪です。

現代の生活においては、環境ホルモン、化学物質、重金属など、処理に時間がかかってしまうものが、日々体内に入ってきます。それらは少しづつコップに蓄積して行きます。

また、体はくしゃみ、鼻水、痰、咳、嘔吐、下痢、汗、嘔吐、尿、便、織物、湿疹などといった形で、いらない物を対外に放りだそうとしますが、
これを不快だとして薬で抑えてしまえば、やはりこのコップに貯められて行きます。

薬自体も肝臓で分解し腎臓を通って体の外に排出されるので、デトックス臓器を痛めつけてしまい、肝臓や腎臓で処理しきれなくなったものが、さらにこのコップに貯められて行きます。

薬を使えば使うほど、いらないものコップの嵩は増していくのです。
体も、ただ単にいらないものコップに貯めているわけではありません。
コップに貯められた
「なんだか分からないもの」
「いらないけど出せないもの」
「処理しきれないもの」
「処理に時間がかかるもの」に、
【抗体】というフラグを立てて、
何か悪影響があったとき、直ちに対処できるよう常に監視します。

このコップの底の方には、重金属や過酸化コレステロールなどの重たく粘液状の物たたまり、
上に行くにつれて軽く小さなものが溜まっています。
体が暖かく血液がよく循環しておりさらさらと流れている人は、このコップに注がれる水流に勢いがあり、
冷えて血液循環の悪い人はコップに注がれる水流も弱いとします。暖かく血流が良い人は、いらないものが取り込まれてもその血流によって少しづつコップの外に運び出されます。
しかし冷えて血流の悪いコップの持ち主は、出すよりもたまる方が多く、コップの中はいらないものでだんだん満ちて行きます。
そしていよいよ「もうコップにはほんの少しも貯めておくことができません!」となった時、「いらないもの」は溢れ出てきます。

そして溜まっていたものにはフラグが立てらていますから、溢れ始めた今、再びそのフラグの立ったものと同じものが入ってくれば、免疫が発動しアレルギー症状が発症します。
さて、どこから溢れるのでしょう?

体全体をちくわの例えをしたことを覚えているでしょうか?
皮膚は一番外側のシワシワしたところ。そして口からお尻の穴までの消化管は、ちくわの内側のツルツルしたところ。
内臓などの重要な器官が、内側の部分でしたね。

溢れるのは、より重要でない部分、つまり異常があったら削ぐこともできる「表面」の部分からです。皮膚、または消化管でアレルギー症状が始まります。

また脳は危機感を覚え、少しも異物を体内に入れまいとセキュリティレベルをあげます。似たような物質が入ってきたら「危険です!」とアラートがなり、気道という気道を塞いだり、波や鼻水で洗い流そうとします。
こうなると、もう止められません。
これがアレルギー疾患の始まりです。

3 薬を使う前に

痛い・かゆい・苦しい。

身体の症状がなぜ起こっているのかしらないと、これらの症状を「どうにかして取り除きたい」と思うのが、一般的な考えでしょう。

しかしそこで、「何が起こっているから痛いんだな、かゆいんだな」と症状の起こるメカニズムがわかって入れば、その苦しみに対処する心構えは随分と違うものになります。

薬を使うにしても、症状の理由も進行度合いもわからず
「わあ、苦しい!とにかくこの症状をなんとかしてくれ!」というのと、
体のメカニズムを理解し、健康であるために必要な過程だとして「わあ、そうだよな・・・ちょっとなんとかならないかな・・・どうやって凌ごう」というのでは、薬に対する依存度も違ってきます。

母親たちの心に自信と余裕がなければ、症状の醜さに驚きうろたえてしまい、「なんとかしてくれ」と医師たちに詰め寄ります。
医師たちも、とりあえず目の前の症状を消し去ろうと、強い薬を処方します。しかしそういうときに、単に症状を抑える処置のみをする医師が本当の意味で親身に患者の立場にたってくれるいい医師と言えるでしょうか。

アレルギー疾患で大切なものは、症状は「体の中に入った何か変なもの」を体が押し出そうとしている体の防御反応だと理解することです。そしてその「変なもの」と体が判断したものは、本来なら押し出さねばならないものだったのでしょうか?

症状を抑えるだけ、アレルゲンを除去するだけでなく、体に入ってもアレルギー症状を起こさない体になるよう、より根本的なアプローチをして行く必要があります。

どんな症状も原因があり、その結果として症状が現れます。まずは原因の追求をするくせをつけましょう。
何か、赤く腫れ上がったり発疹がでた場合は、その直前に何をしたのか、落ちついて思い出してみましょう。

そして同時に、症状を出さなくてはならないほど、体のいらないものコップに余裕がないということにも注目しなくてはなりません。

アレルゲンを特定できたら、できるだけ排除を行い同時に、アレルゲンに反応しない体づくりを多方面から進めて行きます。

小さい頃から「苦しみはすぐに取り除かねばならない」とばかりに、ちょっとしたことで病院や薬を利用して育てられた場合、子供は「症状が出るのは良くないことだ、怖いことだ」とインプットされ、すぐ病院や薬を利用するようになるでしょう。

アレルギー疾患では特によく利用されるステロイドは、体内では簡単には分解・排出されません。身体が暖かく、巡りの良い体であれば、短期間症状使用する分には問題なくとも、冷えて血流の悪い体に長期間使用すれば、酸化コレステロールの形で、冷たい志望の中に長い間残留します。薬を使うほど、体はひえ、ますます溜まりやすくなります。それが原因で交感神経緊張状態になり、頻脈になり、いつも不安がるようになったり、常に疲れているような体質になっていきます。アレルギー症状自体も改善されていないまま、体調はすぐれず、ステロイドに対しては徐々に耐性ができて効かなくなり、一時的な消炎さえもおこらなくなります。ここまでくると、ステロイドからの離脱がかなり難しくなります。

子供は自分で治療法を選ぶことができません。親が薬を正しく利用すること、デメリットをうまくリカバリーすることは、子供の一生を左右することになります。

4 アレルギーと自律神経

アレルギーの問題を考えるとき、自律神経の働きについても理解する必要があります。
自律神経の理解なくしてアレルギー症状に対応するのは雲をつかむようなものだと言っても良いでしょう。

「なんとなく」「漠然とした」域の元でのアレルギー症状への治療や取り組みは、その状態を悪化させる可能性はあれど、改善して行くことは残念ながらありません。
まずは自立神経の仕組みとアレルギー症状の関係を理解していきましょう。
みなさんが考える余地もなく、体内では常に健康を保とうとする様々な働きが行われています。中でも自律神経は活動しているときの「交感神経」と「副交感神経」とでバランスを取りながら、ホメオスタシスの重大な役割を果たしています。

自律神経が体の調節を行うときに、交感神経は神経伝達物質の一つであるアドレナリンを、副交感神経のアセチルコリンを分泌します。そして、白血球中の顆粒球はこのアドレナリンの、リンパ球はアセチルコリンのレセプター(受容体)を持つことが、新潟大学の安保徹先生の研究で明らかになり、免疫を司る白血球は自律神経の影響を受けていることが明白になったのです。

自律神経のうち交感神経が優位になってアドレナリンが分泌されると、殺傷チームの顆粒球が反応して数が増え活性化します。逆に副交感神経が優位になってアセチルコリンが分泌されると、抗体チームのリンパ球が増えるのです。

 

5 副交感神経とアレルギー

アレルギーと密接に繋がっているのは、自律神経のうち副交感神経の働きです。


体を休めると副交換神経が優位になり、リンパ球が活発になるので、いわゆる免疫機能が高まった状態になります。体を休め、リラックスすると免疫力が高まる理由はここにあります。

健康を維持するためには適度の休息が必要だというわけです。リンパ球が少なくなるのは免疫不全と呼ばれる状態で病気の8割はストレスなどで顆粒球が増えすぎて、リンパ球が減っている状態で起こっているようです。

では、副交感神経だけがぐんと優位になっていればいいかというと、そういうわけでもありません。

副交感神経はリラックスの神経で、分泌、排泄、消化、吸収などを支配しています。つまり、副交感神経が優位な状態では体は多くの分泌物を排出します。

鼻水、咳、痰、おりもの、汗、尿、便、皮膚疾患に到るまで、諸々の分泌が増えるのです。

副交感神経が活性化しすぎてリンパ球過剰の状態になると、外から侵入してきたアレルゲンに対する免疫応答が極端に過剰になるのはそのせいです。

これによりアトピーや花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー性疾患に悩むことになります。
毎日ダラダラとしてのんびりしすぎる刺激のない生活も、免疫システムのためには良くないということです。

6 子供の成長と白血球のバランス

顆粒球とリンパ球、それぞれに役割を持っていますので、どちらが増えすぎても減りすぎてもよくありません。

顆粒球が多すぎてリンパ球が少ないと、風邪などの感染症にかかりやすく、炎症が長引きますし、逆にリンパ球が多くて顆粒球が少ないと、鬱やアレルギー疾患になりやすくなります。

免疫力が高いというのは、顆粒球とリンパ球のバランスが程よく取れている状態を言います

この両者をコントロールしているのが、自律神経の交感神経と副交感神経ですから、言い換えれば、自律神経のバランスが取れている状態が免疫力の高い状態だということです

子供はそもそも〈リンパ球体質〉です。子供の成長に使われるエネルギーは非常に膨大なので、普段からリラックスの体調を保持し、急激な成長による身体へのストレスを緩和できるようにプロムラミングされています。子供の白血球のバランスがどのように移り変わっていくのか、順に見てまいりましょう。

まずは誕生です。出産で体外へ放り出されて、初めて肺呼吸をします。大量の酸素が急激に体の中に入り、代謝は一気に上がります。赤ちゃんにとっては大変なストレスとなり、白血球中の顆粒球が増加します。しかし、それも4から5日で収まります。新生児に黄疸が出ても、およそ1週間で治るのも、ここに理由があります。

リンパ球はそこから増え出しますが、その機能は未熟です。その足りない免疫状態を母乳からの抗体で賄うよう、出産後2週間くらいの間に出る濃い「初乳」には、免疫成分が多く含まれています。だからこそ、初乳は赤ちゃんにとって、とても大切なのです。

1から4歳の間は、圧倒的に副交感神経優位で、リンパ球増多の状態です。数的には大人の3倍もあります。しかし成長のエネルギーと相殺されるので、多すぎても問題ありません。

4歳から15歳くらいの時には、リンパ球は多くても圧倒的というほどではありません。子供たちはリンパ球過剰極限の状態で成長していきます。当然ながら、リンパ球過剰の病気にかかりやすい状態です。それゆえ、元気に外遊びをしたり、汗をかき体を使った運動をすることは、子供の免疫が副交感神経優位に偏らぬよう、バランスを取るために大事です。

その後15歳から20歳くらいで、成人のリンパ球と顆粒球の数値になっていきます。そして、歳をとるごとに顆粒球が増え、リンパ球の数は減少していきます。

 

7 アレルギー体質=悪ではない

さて、子供はアレルギー体質になりやすいと述べましたが、アレルギー体質が「悪」なわけではありません。言葉を変えて言えば、「外界からいろいろな異物が入ってきた時に、速やかに外に排出する反応を起こせる」ということでもあります。

ですから、たとえアレルギー症状が出ても、大騒ぎするのではなく、「これは体が異物を認識して外に出そうという反応をしているのだ」
と理解し、落ち着いているようにしましょう。

症状に慌ててしまって、強い薬で止めようとすると薬が聞いているうちはその症状は収まりますが、薬が切れた途端にぶり返します。そして薬と症状のシーソーゲームに陥ってしまうと、コラまで勉強してきたように、免疫そのものを破壊し、さらに違う病気へと進行していくのです。

現在、アレルギー疾患にかかる年齢は低年齢化しています。

可愛い我が子に現れた症状に、母親が慌て、なんとか症状を抑えてあげたいと薬に頼ってしまう図が浮かんできます・・・。
たとえば、まだ1歳にも満たない子供が塩素にアレルギー反応を示し、水道水で発熱したりすることがあります。その時、抗ヒスタミン剤やステロイドなどを塗ったり、飲んだりすれば、症状は瞬時に消え去ります。見た目には「治っている」と感じられるかもしれませんが、

実際は、その子が塩素を体から押し出そうと頑張っているところに水をさした、といったほうが正しい見方です。薬で症状を抑えるだけでは原因は取り除かれていないため、

水道水に触れるたび、症状と薬のいたちごっこになります。その子はいつまで立っても水道水に触れなくなるばかりか、もし長期間にわたりステロイドを使い続ければ、薬害によって違う病気に悩まされるようになるのです。

この例の場合、水道水に触った後に症状が出たなと思ったら、「どうやら水道水ダメらしい」、つまり「水道水の中に含まれる何かがアレルゲンかもしれない」という予測がたちます。そこで、カルキ抜きの水を試してもいいでしょう。もしカルキ抜きの水では大丈夫だか水道水では再び症状が出るのであれば、アレルゲンは「カルキ〈塩素〉」との特定ができたのですから、まずはそれを除去することから始めます。風呂水の塩素というのは、大人一人が入浴すれば、かなり中和されるので一番風呂に入れず二番風呂に入れるようにしたり、ビタミンCを入れて中和するという工夫をしてもいいでしょう。その上で塩素に反応しない体づくりをしていきます。

 

8 キレイ過ぎる環境がアレルギーを生む

もう一つの側面から、子供の免疫の発達を見てみましょう。
赤ちゃんは肛門に近いところから生まれ出てくるようになっています。無菌状態のお腹の中から、産道の乳酸菌を舐め、肛門近くで大腸菌に接触します。こうして菌にまみれ、徐々に腸内環境を育てつつ大腸菌に対する耐性をみにつけていきます。

さて、免疫チームは暴れん坊の顆粒球に代表される殺傷チームと鍵を作って相手をロックするリンパ球からなる抗体チームの2つに分けられます。ウイルスはホストとなる細胞がいないと増えられないので、ホストを破壊し尽くすことはありません。ですから体にとってはあまり脅威ではありません。余裕があるため抗体チームが担当します。

しかし細菌はというと、ホストを必要とせず、細胞を壊してどこでも増えていきます。体にとっては大変危険で一刻を争うため、血気盛んな殺傷チームが担当します。

無菌の世界から生まれてきた赤ちゃんにとって、この世は菌だらけの脅威に満ちた世界です。だから生後はまず、殺傷チームの顆粒球を増やします。

体は、うまく殺傷チームを使いながら、抗体チームの免疫マニュアルを作成します。こうして感染症に対し強くなっていきます。

しかし、この免疫を作る大事な時期に構成材を乱用していたらどうなるでしょう。抗生剤は最近に効く薬です。抗生剤を使うと殺傷チームの仕事を薬にやらせることになり、殺傷チームは減ってしまいます。さらに、土に触れる機会が少ないばかりか、現代日本は除菌・抗菌グッズにあふれ、清潔になりすぎています。大きな寄生虫は殺傷チームにとってやりがいがある相手なので、殺傷チームの顆粒球が増えるのですが、寄生虫も滅多に見られません。結果、殺傷チームがへり抗体チームのリンパ球が優位な状態が、アレルギー疾患を助長することになるのです。子供の時期に菌にある程度まみれていることが、免疫のバランスを保つのに必要なのです。

 

9 常在菌と健康

人間は、食べたものを分解して取り込み、体の新たな材料にしたり、エネルギーに変換して消耗することを繰り返して生命を保っています。ですから、体の仕事の中では、〈消化・吸収する〉というものが常に優先順位No.1で、どんな時も食べれば消化のスイッチが入るようになっています。感染症にかかっている時、無理やり食べると履いてしまうのは、消化より外敵と戦う方に力を100%使いたいと脳が判断し、消化より免疫の仕事が優先された結果です。

もし、ローフードやファスティングなどで消化管の仕事を休ませることができたら、体にとっては余力が出てきますので、今まで手が回らず溜め込んでいた「いらないものコップ」の中身を処理し、かさを減らすことができます。嵩が減ればセキュリティーレベルが下がり、アレルギー症状は落ち着くでしょう。

消化管の仕事が、生きていく上で一番優先順位が高いのは、胎児の時すでに現れています。受精卵が分裂を繰り返して、ヒトの形になっていく際、外側の皮膚から分かれて一番最初にできる内臓が、口のあなからお尻の穴までの消化管なのです。

人をちくわに例えることで何度も出てきていますが、外側の皮膚と、口から肛門までの内側の粘膜は、どちらも外気に晒された〈表面〉です。

内側の粘膜は上皮細胞が、外側は角質細胞が並び、この表面には何兆という菌たちがすみ、常在細菌叢(常在細菌フローラ)を作っています。

この細菌叢は、単に住み着いているだけではなく、外敵から体を守ってくれています。

皮膚の上では分泌された皮脂を常在菌が分解して脂肪酸にし、これが乳化剤となって、汗と油の混ざり合った弱酸性のクリームが生み出されます。この天然クリームが酸の苦手な菌に対する保護膜になり、皮膚の水分を逃さぬよう一番外側の蓋の役割を果たします。

合成の界面活性剤は強力に油を溶かしてしまうため、せっかく常在菌が作ってくれたこの弱酸性のバリアを根こそぎ取り去ってしまいます。それによって引き起こされる乾燥を避けるため、市販の洗剤には弱酸性のラップとなるものが加えられ、あたかもしっとり潤ったかのように見せる工夫がなされています。

皮脂の分泌は、脳が必要に応じて司令を出し、調整されています。弱酸性の皮脂膜がなくなったら「危険」と脳が判断して皮脂を出させ、再び常在菌に弱酸性の皮脂膜というバリアを作ってもらおうとします。しかし皮膚表面が最初から弱酸性になってしまっていると、皮脂は足りているものと判断され分泌されず、ごまかされた偽のバリアで塞がねばなりません。乾燥しやすく剥がれやすくなって、十分水分を蓄えることができなくなった角質層のバリア機能は弱まり、体内のイラナイ物を排出する出口になったらり、外からの感染を起こしやすくなります。

一方で、胃が酸性なのはそこで口から入ってきたものを消毒するためです。

腸管は粘液で覆われ、粘液は免疫チームがパトロールしています。そして腸内にも、細菌と真菌が絶妙なバランスをとって存在しています。腸内細菌は、人体が作り出せないビタミンを合成したり、消化しにくいものの消化を助けたり、外から食べ物と一緒に入ってくる病原体をそっ制して腸管免疫に一役買ったりしています。

しかし抗生剤を使うとこの最近そうは壊滅状態に陥ります。

例えば、胃にピロリ菌がいると、慢性胃炎の原因になるとして強い構成材の投与が行われることが良くあります。しかし、本当にピロリ菌を叩けば良いのでしょうか?

ピロリ菌に感染している人は非常に多く、50代以上は8割の方が保菌しているだろうと言われています。しかし保菌者の潰瘍発生率は、胃と十二指腸合わせて2から3%で、97%の人は潰瘍になることなく共存しています。
では、何が違うのでしょうか?その違いの一つとして考えられるのは、免疫チームの割合です。

もし、殺傷チームの顆粒球が過剰になっていれば、大勢で寄ってたかってピロリ菌を攻撃し、自分の細胞まで傷つけて炎症を起こしてしまいます。慢性胃炎は、ピロリ菌が絶対的悪ではなく、ストレスや消炎鎮痛剤の使用など、炎症の起きやすい体であることが大きく関与しています。

抗生物質の投与で除菌しようにも、体制を獲得し、除去率は70%にまで落ちているそうです。
例えピロリ菌を除菌しても、胃・十二指腸の炎症を再発する人は約20%に及ぶと言います。

そして、抗生物質は私たちの腸内細菌も殺してしまい、菌抗体症から大腸炎を起こすことも良くあります。

胃潰瘍・潰瘍性大腸炎など、薬を飲んでも飲んでも飲むほどに治らなくなっていくのは、根本原因を履き違えた治療をしているからです。炎症を起こさない体であること、免疫チームのバランスが整っていること、ストレスマネージメントができていることが大事です。

 

10 2つの大きな入り口

さて、アレルギー疾患を起こしやすいのはどんな要因を持った人でしょう?
それは(いらないものコップ)を溢れさせる要因から考えて以下の5つが挙げられます

①排出が少ない
②体が冷たい
③薬を乱用している
④予防接種をしている
⑤リーキーガットがある

中でも最後の2つ(予防接種)と〈リーキーガット〉は〈いらない物〉の大きな入り口です。順に見ていきましょう。

①排出が少ない
排出が少ない状態では、出し切れなかったいらないものが、体の中にたくさん溜まっていきます。老廃物や有害物質の排泄は、便中に70%、尿中に20%、汗に5%、残りは髪、爪、呼気などを通して行われると言われています。もし便秘をしていたら、一番大きな出口がふさがり、いらないものコップは溢れてしまうでしょう。また、運動の習慣がなく、汗を書くことがなければ、やはり排出は少なくなります。

②体が冷たい
この状態はいらないものコップの中身もサラサラではなく、ドロドロと固まっています。また、循環が悪いためコップの中身はたまる一方となります

③薬を乱用している
この状態は、要らないもの排出のためにおっていた症状を抑え込むのでコップの嵩が増します。また使えば使うほど冷えてしまうので、循環が悪くなり、やはりコップにたまっていきます。さらに肝臓と腎臓のデトックス臓器を疲弊させることで処理能力を奪い、処理し切れなかったものでコップの中がますます多くなってしまします。

④予防接種をしている
通常体内に何かが侵入するときは、消化管、皮膚、呼吸器など、免疫システムの存在する砦をとおてやってきます。しかし、予防接種はそういった関所を飛び越していきなりダイレクトに体内に侵入します。
予防接種のワクチンには、様々なものが添加されており、それによって一気に血液が汚れてしまいます。

いきなりそういったものが体内に入ってくると、体は「本来は入ってこないはず・・・だよね?」ということは薄々わかっていても決定的な確信をモテません。とりあえず「いらないものコップ」にいれます。そしていざという時取り押さえるために、交代という目印のフラッグを立てます。

⑤リーキーガットがある
リーキーガットとは、リーキー=漏れる、ガット=小腸という言葉の通り、腸管の絨毛が組織障害を起こして、いわば穴が空いたようになり、町内の未消化物や有害物質など「いらないもの」が血管内に漏れて入ってしまうことを言います。通常の10倍もの大きさの分子を通してしまうと言われています。

食べたものは本来、一番小さな形に分解されて小腸の壁から血管内に取り込まれます。消化が不十分で大きいものは、血管内に入らないよう、腸管粘膜が砦となっているのです。しかしここに炎症があると、例えばまだアミノ酸に分解されていない大きなタンパク質が、塊で入ってしまいます。血液の中には本来ないはずのものなので、体が「おっと、これ何?」と免疫システムを発動してしまいますし、解毒や分解のため肝臓を疲弊させてしまいます。また栄養素は細胞膜に埋まっている機能タンパク質にくっついて血中に誘導されるため、腸壁が痛んでいることによって必要な栄養素が吸収できなくなり、栄養失調にもなりやすくなります。

また、リーキーガットじゃなくても、副鼻腔炎や中耳炎、咳ぜんそくなど、粘膜が炎症を起こしていると、そこに穴が空いて、通常は入れないものを体内に入れてしまいます。

 

11 まとめ

アレルギーを治すかぎは、自律神経と腸と予防接種のデトックスにある。

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